成果事例紹介

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本事業により実施された技術開発の成果を確認し、その成功要因や問題点を明らかにすることによって、今後の民間等における効果的な技術開発を促進することを目的に、本事業による技術開発が終了してから半年を経過したものを対象に成果報告会を実施しています。以下に技術開発の成果事例報告と評価総括表を紹介します。

令和4年度

  • 構造

    建築物の建て替えに伴う基礎杭の引き抜き処理地盤の評価技術に関する開発

    【概要】

    我国の多くの都市で、戦後の復興期から高度成長期に建設された建築物の建て替えが始まっている。建築物の解体に伴って基礎杭の撤去も同時に行われることが多いが、この過程に伴って、基礎工事の増大(新設時の 2〜4 倍)と施工後の敷地地盤の再評価が簡単でない現状がある。

    国交省においても令和 2 年度から総合技術開発プロジェクト(総プロ)「建築物と地盤に係る構造規定の合理化による都市の再生と強靭化に資する技術開発(R2〜R5)」を開始している。総プロでは、既存杭の利用から撤去までを含めた複合地盤として既存杭を取り扱う新しい設計の枠組みが提示される予定であり、既存杭の扱いの重要性の認識はより高まると考えられる。

    既存杭が引き抜かれた地盤は、地盤条件や引抜杭の本数、引き抜き方法により異なるが、原地盤に比べて地盤剛性が低下する可能性があることが判っている。この影響を考慮しないで、原地盤の地盤調査結果に基づき建物を設計すれば危険側となる可能性が高い。もし、既存建物解体後に地盤調査を行い新設建物の設計、確認申請、施工という手順となると、かなり工程が延びることになる。本評価法が開発されれば、既存建物の解体前に新設建物の設計に取り掛かることが可能になり、大幅な期間の短縮効果が見込まれる。

    基礎杭の引き抜き処理地盤の評価技術に関して以下の技術開発を行い、成果物として、「新設杭の設計・施工に関する既存杭の撤去・埋戻しを考慮した地盤調査ガイドライン(案)」をまとめた。

    1)引き抜きに伴う地盤への影響評価のための地盤調査方法の技術開発
    2)地盤調査結果に基づいた設計用地盤定数などの評価技術の開発

    【事業者】

    • 中井 正一 ALLF 会長 千葉大学(名誉教授)
    • 森 利弘  ALLF 研究課題主査 (株)熊谷組(技術本部 技術研究所)
    • 山本 裕司 基礎地盤コンサルタンツ(株)(技術本部 地盤・岩盤解析室 室長)
    • 吉田 正  (株)東京ソイルリサーチ(つくば総合試験所兼技術本部管掌 執行役員)

    ※なお、ALLF 研究課題「既存杭撤去に伴う周辺地盤への影響検討委員会」には、ALLF 会員企業から委員として、52 名が参加した。

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  • 新技術

    あと施工アンカーを用いたリノベーションのための施工品質検査の開発

    【概要】

    国土交通省の建築基準整備促進事業により、既存住宅ストックの有効活用においてあと施工アンカーが主要構造部材に適用できることとなった。このあと施工アンカーについては、製品および構造部材や強度指定の事前の評定を受ける必要があり、申請者の参考として「接着系あと施工アンカー強度指定申請ガイドライン」(2022 年 3 月)が発出されている。ガイドラインでは工事中・工事後の検査が各種指定され、その内の「注入量検査」において、非破壊引張試験と同等の高度な検査方法(電磁パルス法)が使用できる。本事業ではこのあと施工アンカーの施工品質を確保するために、電磁パルス法を利用した既存技術を高度化して、検査の効率や精度およびその信頼性が向上する検査システムを開発した。

    【事業者】

    • 長岡康之 株式会社アミック 代表取締役
    • 仲矢直司 アスワン電子株式会社 代表取締役
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  • 新技術

    360度画像と BIM 情報を活用した遠隔施工管理による移動時間削減に資する技術開発

    【概要】

    本研究開発では、遠隔施工管理のための 360 度バーチャルツアーを実現するための要素技術を開発した。具体的には、ウェアラブル型 360 度カメラのメカ・エレキ開発、ソフト開発(位置推定用撮影機能、ネットワーク接続機能、自動アップロード機能)と、クラウド開発(360 度画像と BIM データの比較表示機能、外部コラボレーションツールとの API 連携機能)を実施し、実用化に際して必要な基本機能を確立した。

    【事業者】

    株式会社リコー リコーフューチャーズ BU Smart Vision 事業センター

    • 小田巻 誠 技術開発室 室長
    • 吉田 彰宏 第一開発室 開発3グループ グループリーダー
    • 池上 史郎 事業企画室 企画1グループ 担当
    • 曲澤 学  第二開発室 担当
    • 古橋 大地 マップコンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
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  • 新技術

    既存住宅建築物の3DスキャンからBIMモデルの作成、FM データとの連携を行い、中古住宅ストックの再生・活用に資する技術開発

    【概要】

    本事業は、中古住宅ストックの再生・活用に向け、リフォームや維持管理業務の効率化を目的とし、LiDAR 測量を用いて現況空間を3Dモデル化し、そのモデルに修繕・管理情報を付加して簡易BIM化することで、現調~作図~見積といった一連のリフォーム業務や、修繕履歴情報をクラウドへ情報集約し、管理業務の効率化を実現するシステムの技術開発を行った。

    本技術の特徴は、建設ワークフロー合理化の根幹となる BIM 技術をリフォーム用途に特化させることで、汎用タブレット機器、安価なクラウドサービス、簡易な操作性という低いハードルで利用可能となった点である。

    開発成果は、LiDAR 測量から見積書作成まで一連の作業完了が 30 分以内を目標としていたが、本技術を用いた結果、1LDK 住戸で、LiDAR 測量からホワイトモデル生成・編集し現況図作成、リフォーム情報の付加、見積書作成までを 25 分で行うことができた。(テストケースでは洋室の壁紙張替えを想定)

    【事業者】

    • スターツアセットマネジメント株式会社
    • 株式会社 LIFULL
    • スターツ CAM 株式会社
    • 国立大学法人一橋大学
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  • 新技術

    屋根パネルを対象にした屋根材のプレセット化システム開発と生産システムの合理化

    【概要】

    • ・屋根材がプレセットされた 屋根パネルと生産ラインの開発
    • ・屋根パネル用BIM・CP連携システムの開発
    • ・屋根パネルと躯体との接合金物の開発

    【事業者】

    • 松下 龍二 株式会社アイ工務店 代表取締役
    • 松澤 考宏 株式会社マツザワ瓦店 代表取締役
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令和3年度

  • 構造

    高減衰ハイブリッドスチール建築システムの開発と生産システムの合理化

    【概要】

    柱・梁部材を鉄骨造、耐震要素を薄板軽量形鋼造とするハイブリッドかつ高減衰型の建築システムを開発した。具体的には本建築システムを構成する主要構造要素の構造・耐火性能を解析・実験及びモデル建物の建設等の実務検証を経て明らかにした上で、設計・生産システムの構築と、実施設計プロセスにおいて必要となる認定及び評定を取得し、実用に供するための準備が整った。

    【事業者】

    • 山口誠   株式会社 ATC 商品開発部・部長 応募時:株式会社 MDI 建築本部商品開発部次長
    • 脇田健裕  アルキテック株式会社 代表取締役
    • 曽田五月也 早稲田大学名誉教授
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  • 構造

    次世代優良住宅耐震システムの開発

    【概要】

    耐震性能の高い木造住宅の設計について、地盤情報から設計用入力地震動を自動生成し時刻歴応答解析を行うクラウドシステムを開発することで、耐震設計の過程を合理化する。
    あわせて、このシステムで設計された住宅に専用のクラウド地震計測器を設置し、地震被災時に地震動を自動計測し、クラウド上で時刻歴応答解析を行うことでその住宅の被災時の損傷を解析し、損傷の復旧を効果的に行うシステムを開発した。

    【事業者】

    • 鈴木 強   一般社団法人 工務店フォーラム 理事
    • 槻橋正幸  株式会社 益田建設 技術企画開発部 課長
    • 中井俊樹  白山工業 株式会社 防災システム事業部長
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令和2年度

  • 新技術

    木造屋根の耐久性・施工性向上のための防水・通気工法の開発

    【概要】

    本開発は、住宅建築の屋根断熱仕様における通気層工法で、防水と通気を兼ね備えた防水通気シートを開発し、屋根断熱仕様で主に採用されている面材下通気層工法(以下、既存工法という)と同じ安全な性能を有し、施工においては簡易で効率的な施工を可能とする工法を整備した。

    【事業者】

    • 坂本 雄三 (一社)き塾 理事(東京大学 名誉教授)
    • 永井 大嗣 (株)ナガイ 代表取締役社長
    • 大嶋 洋一 (株)藤島建設 取締役専務
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令和元年度

  • 構造

    組立鉄筋ユニットを用いた住宅用基礎 の設計・施工指針に関する技術開発

    【概要】

    (一社)日本住宅基礎鉄筋工業会(以下、JHR)で出版している、「推奨基礎仕様マニュアル 2010年版(べた基礎編)」および「推奨基礎マニュアル 2012 年版(布基礎編)」に基づいた設計・施工指針を作成するために、以下事業計画を行った。

    1) JHR の設計・施工指針の内容の根本である、「推奨基礎仕様マニュアル(べた基礎編)」および「推奨基礎マニュアル (布基礎編)」を見直し、改定案を作成。

    2) 1)の内容に基づく設計・施工指針を作成し、2014~2018 年度に住宅・建築物高度化事業の助成事業により技術開発した下記の製品の技術資料・使用マニュアルを作成し、設計・施工指針に組込む方法を示した。

    3) 実際の戸建て住宅の設計例を収集し、上記 2)の製品を組込んだ基礎を設計し、施工性の調査。

    【事業者】

    • 佐藤 収一 (一社)日本住宅基礎鉄筋工業会 理事長
    • 中野 克彦 千葉工業大学 創造工学部建築学科 教授
    • 磯 雅人  福井大学 工学部建築・都市環境工学科 教授
    • 松崎 育弘 東京理科大学 名誉教授
    • 迫田 丈志 (株)堀江建築工学研究所 取締役企画開発部長
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